◎スーダン軍がダルフール地方でUAE製の装甲兵員輸送車(APC)を複数台鹵獲した。
スーダン、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘員(Getty Images)

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは14日、アフリカ北東部・スーダンで軍事政権と対立する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」がUAE(アラブ首長国連邦)が製造し、フランスの防衛システムを搭載した装甲車を使用していると発表した。

それによると、スーダン軍がダルフール地方でUAE製の装甲兵員輸送車(APC)を複数台鹵獲したという。

アムネスティは14日に公開した報告書の中で、「これはスーダンへの武器供与を禁止する国連の武器禁輸措置に違反する可能性が高い」と指摘した。

軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強、約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連によると、この内戦により、少なくとも1160万人が避難を余儀なくされたという。うち310万人は周辺国に逃亡したと推定されている。

スーダン軍政はUAEがRSFに武器を供給し、その影響で内戦が長引いていると主張しているが、UAEはこれを否定している。

アムネスティの報告書によると、スーダン軍に鹵獲されたり破壊されたりしたUAE製APCの写真がソーシャルメディアで複数共有されている。

UAEは国連安全保障理事会に対し、RSFやその他紛争当事者への支援や物資の提供は行っていないと述べていた。

安保理は先週、RSFの将校2人に制裁を科した。

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