◎この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強、約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は29日、アフリカ北東部・スーダンで1年半前に内戦が勃発して以来、1400万人以上が避難民となり、そのうち約310万人が近隣諸国に逃亡したと明らかにした。
IOMのポープ(Amy Pope)事務局長は紅海沿岸の都市ポートスーダンで記者団の取材に応じ、「この国で世界最悪の人道危機が起きていることを忘れないでほしい」と訴えた。
それによると、9月に軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が激化して以来、少なくとも20万人が住居を失い、国外もしくは国内のどこかに避難したという。
ポープ氏は「避難民となった1400万人の半数以上が女性、4分の1以上が5歳以下の子供である」と強調した。
またポープ氏は「避難民の数と人道的ニーズは日々高まり、人口の半数が助けを必要としている」と述べた。
軍事政権とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強、約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
軍政とRSFは現在、ハルツームと北ダルフール州エルファーシルで激戦を繰り広げているとされる。
その結果、各地でコレラやマラリアなどの感染症が蔓延、RSFに包囲されている北ダルフール州ではいつ飢饉が発生してもおかしくない状況になっている。