◎首都ニアメの在米国大使館の警備にあたる数人の兵士は同国にとどまっている。
米軍がアフリカ西部・ニジェールに駐留する部隊を完全撤退させた。国防総省が16日、明らかにした。
それによると、首都ニアメの在米国大使館の警備にあたる数人の兵士は同国にとどまっているという。
ニジェールでは昨年7月に軍事クーデターが発生。バズム(Mohamed Bazoum)大統領が追放され、西側諸国との関係が急速に悪化した。
軍政は旧宗主国フランスに部隊撤退を命じ、今年5月には米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表。国防総省は9月中旬までに部隊を完全撤退させるとしていた。
米軍は先月、最後の軍事基地を地元当局に引き渡したが、約二十人の兵士が基地にとどまり、最後の撤退任務の管理にあたっていた。
軍政は西側との関係を断ち切り、ロシアに急接近。民間軍事会社ワグネルと契約を結んだとされるが、詳細は不明だ。
欧米諸国はこのクーデターを受け、ニジェールへの支援を停止した。これらの制裁により、同国の経済は急速に悪化、イスラム過激派を一掃するという軍指導部の計画も機能不全に陥っている。
国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)はニジェール、マリ、ブルキナファソに拠点を置き、隣国のベナンとトーゴへの進出を模索している。
ニジェールはクーデター前、この地域でアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦う西側の最重要パートナーであった。
米国とフランスは最近までこの地域に2500人以上の兵士を駐留させ、他の欧州諸国とともに軍事支援と訓練に数億ドルを投じていた。