◎ニジェールはサヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。
西アフリカ・ニジェールの空軍基地に米軍とロシア軍が同時に駐留するという前代未聞の事態が起きている。ロイター通信などが米政府関係者の話しとして2日に報じた。
それによると、首都ニアメに近い「エアポート101」と呼ばれる空軍基地に少数の米兵部隊とロシア軍が駐留しているものの、安全保障上の懸念はないという。
ロシア軍は米キャンプから離れた場所にある格納庫とその周辺で活動しており、米側のエリアに入ることはないとのこと。
米軍は首都ニアメから1000キロほど離れた北部に空軍基地を保有。数百人規模の部隊を駐留させ、サハラ砂漠以南のサヘル地域で猛威を振るう国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織を取り締まってきた。
しかし、昨夏のクーデターで政権を奪取した軍政は今年3月、2012年に米国と結んだ軍事協定を一方的に打ち切り、駐留米軍に撤退を命じた。
米国防総省のライダー(Pat Ryder)報道官は先週の記者会見で、「ニジェールからの秩序ある撤退について、関係当局との協議を開始した」と明らかにしていた。
撤退任務の詳細は明らかになっておらず、開始時期も不明である。
ロイター通信は政府高官の話しとして、「エアポート101に残っている兵士はわずかである」と伝えている。
バイデン政権は昨年秋、予防措置としてエアポート101の部隊を統合し始め、ニアメから約1000キロ離れた基地に移転させていた。
ニアメで米軍の即時撤退を求めるデモに参加している男性はAP通信の取材に対し、「米軍は嫌いだが、ロシア軍と協力して過激派を掃討するのであれば、駐留に賛成する」と語った。
ニジェールはサヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。