◎米軍はニジェール北部に約600人の部隊を駐留させ、サハラ砂漠以南のサヘル地域で猛威を振るう国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織を取り締まっている。
米国が西アフリカ・ニジェールから部隊を撤退させる計画を開始する。現地メディアが20日に報じた。
AP通信は米国務省高官の話しとして、「ニジェール軍政の首相とキャンベル(Kurt Campbell)国務副長官が19日に会談し、米軍撤退計画を開始することで合意した」と伝えている。
別の米政府関係者は「数日以内に次のステップについて協議する予定だが、撤退の具体的なスケジュールは決まっていない」と述べている。
それによると、撤退に向けた準備を行う部隊は近日中にニジェール入りする予定だという。
米メディアは19日、米政府がニジェール軍政との新たな軍事協定を模索していると報じた。この協議が破綻したかどうかは不明である。
米軍はニジェール北部に約600人の部隊を駐留させ、サハラ砂漠以南のサヘル地域で猛威を振るう国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織を取り締まっている。
ニジェールはサヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。
米軍は首都ニアメから1000キロほど離れた北部に空軍基地を保有し、ドローンなどを使って偵察任務に当たっている。
また米政府は2013年にニジェールでの活動を開始して以来、同国軍の訓練に数億ドルを費やしてきた。
しかし、昨年7月のクーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領が拘束されて以来、ニジェールと西側の関係はぎくしゃくしている。
軍政はフランス軍に撤退を命じ、代わりにサヘル地域で影響力を強めるロシアに安全保障を求めた。
今月初めにはニジェールの防空を強化するためにロシア軍の訓練兵が到着。ニジェール兵に訓練を施すためのロシア製装備品も提供された。一部のメディアは民間軍事会社ワグネルの傭兵も現地入りしたと伝えている。