◎軍政は先月17日、米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表した。
米政府が西アフリカ・ニジェールの軍事政権と新たな軍事協定を結ぼうとしている。主要メディアが19日に報じた。
AP通信は米政府高官の話しとして、「我々はサヘル地域で確立した足場を維持するための取り組みを続けている」と報じた。
軍政は先月17日、米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表した。
米軍はニジェール北部に数百人の部隊を駐留させ、サヘル地域で猛威を振るう国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)の関連組織を取り締まっている。
ニジェールはサヘル地域における米仏軍の取り締まりで中心的な役割を担っている。
米仏両政府は昨年クーデターに見舞われたニジェールが西側との連携を断ち、その結果、イスラム過激派の台頭を許すのではないかと懸念している。
米軍は首都ニアメから1000キロほど離れた北部に空軍基地を保有し、ドローンなどを使って偵察任務に当たっている。
米国は2013年にニジェールでの活動を開始して以来、同国軍の訓練に数億ドルを費やしてきた。
しかし、昨年7月にクーデターが起き、バズム(Mohamed Bazoum)大統領が拘束されて以来、ニジェールと西側の関係はぎくしゃくしている。
軍政はフランス軍に撤退を命じ、代わりにサヘル地域で影響力を強めるロシアに安全保障を求めた。
今月初めにはニジェールの防空を強化するためにロシア軍の訓練兵が到着。ニジェール兵に訓練を施すためのロシア製装備品も提供された。
米国と軍政がどのようなやり取りをしているかは明らかになっていない。ロイター通信によると、米政府高官は一部メディアが「米政府が妥協案を提示したとみられる」と報じたことを否定したという。