◎両地域では内戦と経済危機が常態化している。
国連児童基金(ユニセフ)は13日、中東および北アフリカで支援を必要とする児童が急増していることを受け、国際社会に26億ドルの緊急支援を呼びかけた。
ユニセフによると、中東と北アフリカで支援を必要としている児童は5270万人を超え、その多くが栄養失調に苦しんでいるという。
ユニセフ中東・北アフリカ地域局は声明で、「両地域の半数の国が内戦や戦争などの影響を受け、危機に瀕している」と警告した。
また同局はこの地域の現状を「大惨事」と表現し、「多くの家庭が危機に対応できず、年々貧しくなっている」と指摘した。
両地域では内戦と経済危機が常態化している。
シリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化した。国連によると、人口の半数以上が避難民となり、650万人以上の児童が影響を受けているという。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で兵士や民間人など少なくとも16万人が死亡。ユニセフによると、国内のほぼ全ての児童が人道支援に頼っているという。
レバノンの経済危機が解消する見通しは立たず、アフリカのスーダンでも不安定な状況が続き、数百万人の児童が厳しい環境下に置かれている。
ユニセフは声明の中で「この緊急資金を確保できれば、ユニセフは紛争や人道的危機の影響を受けている子供たちを支援することができる」と述べている。
ユニセフによると、集まった資金はシリア、イエメン、レバノン、スーダン、リビア、パレスチナ、イラク、ヨルダン、その他の近隣諸国の難民キャンプで生活する児童の支援に充てるという。