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▽国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。実際の死傷者数はもっと多いという情報もある。
2025年2月1日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ、M23の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は7日、アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の紛争当事者に対し、武器を置き、対話で問題を解決するよう促した。

ターク氏はジュネーブの緊急会合で演説。「この紛争が地域全体を巻き込む戦争に発展するのを防ぐことが重要だ」と語った。

またターク氏は全ての当事者に対し、暴力行為を止めるよう促した。しかし、コンゴとルワンダ政府は責任を否定し続け、互いを非難している。

同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は先月末に東部・北キブ州の州都ゴマを制圧。南キブ州の州都ブカブに進軍中とみられる。

M23は3日、一方的に停戦を宣言した。しかし、中央政府はこれを「偽情報」とし、ゴマ周辺で激しい戦闘が続いていると明らかにした。

国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。実際の死傷者数はもっと多いという情報もある。

欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。

ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中とみられる。

ルワンダ大統領府は先月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。

コンゴ大統領府は7日、「国際社会はルワンダに圧力をかけ、M23への支援を停止させる必要がある」と訴えた。

しかし、ルワンダの国連大使はコンゴ政府の声明を否定。「紛争の原因はコンゴ政府にある」と反論した。

また大使は「コンゴ軍が国境を越え、ルワンダに攻め入る可能性がある」と主張した。「ルワンダ政府は危機の原因を我が国に押し付けようとするコンゴの企てに強く反対します...」

ルワンダのカガメ(Paul Kagame)大統領とコンゴのチセケディFélix Tshisekedi大統領は8日、タンザニアで開催される地域ブロックの首脳会議に出席する予定だ。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。

ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。

過去2週間の戦闘で避難を余儀なくされた市民は数万人と推定されている。多くの市民がルワンダに逃げ込んだ。

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