◎エチオピア政府とティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は9日間の協議を経て、11月2日に停戦に合意した。
国際人道支援機関は11日、内戦で荒廃したエチオピア北部ティグライ州に必要な支援物資が届いていないと警告した。
エチオピア政府とティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は9日間の協議を経て、11月2日に停戦に合意した。
これにより▽敵対行為の即時停止▽武装解除▽支援物資の輸送再開▽基本サービスの復旧が約束された。
政府は世界食糧計画(WFP)やユニセフなどと協力してティグライ州に支援を迅速に届けると約束したが、具体的なタイムラインは示しておらず、物資輸送が妨害されているという米国の指摘も否定している。
WFPの関係者によると、水道や電話などの基本サービスは回復しつつあるが、人口の大多数が食料の確保にひどく苦労しているという。
政府とTPLFは現在、隣国ケニアで第2回和平交渉を行っている。
国連当局者によると、停戦が実現したにもかかわらず、支援物資を乗せたトラックはティグライ州への立ち入り許可を待っている状態だという。
米国務省は11日、エチオピア政府に問題を速やかに解決するよう促した。
同省は公式ツイッターに、「ティグライ州、アファール州、アムハラ州の住民は支援を切望している」と投稿した。
一方、エチオピア政府の交渉責任者はケニアでの交渉に言及し、「週明けには支援が行き渡るだろう」とツイートしている。またこの責任者は、「支援輸送は滞りなく行われている」と主張した。
「食料を積んだトラック35台と医薬品を積んだトラック3台がティグライ州の都市に到着し、基本サービスも再開されつつあります...」
しかし、国連関係者は「少なくとも国連の支援物資を積んだトラックはティグライ州に入っていない」と報告している。WFPによると、エチオピア政府の支援物資を積んだ車列が同州に入った可能性があるという。
ティグライ州への物資輸送を統括する委員会は11日、本日中に最新情報を提供すると発表した。
アフリカ連合(AU)仲介の交渉はケニアの首都ナイロビで続いているとみられるが、詳細は一切明らかにされていない。
AFP通信は関係者の話を引用し、「政府はTPLFの武装解除方法や物資の輸送方法などを詰めようとしている」と報じた。
エチオピア軍とTPLFの紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
この紛争に関与したとされるエリトリア政府は声明を一切出しておらず、和平協定を守るか否かも不明。