◎スーダンはかつてない経済・政治的混乱に陥っている。
国連は4日、スーダンの軍事政権に反対する平和的なデモに対する厳しい取り締まりを厳しく非難した。
スーダンの人権問題を担当する国連のディエン(Adama Dieng)事務総長特別顧問は、昨年10月の軍事クーデター後に発令された非常事態宣言が先月末に解除されたことを受け、軍当局に「より大胆な行動」を取るよう呼びかけた。
ディエン氏は非常事態宣言下で拘束されたすべての抗議者を速やかに開放し、デモに対する過剰な力の行使をやめるよう求めた。
スーダンの政治と経済はクーデター以降、ほぼ麻痺しており、連日街頭抗議デモが行われている。
軍はデモ隊に実弾、スタングレネード、催涙ガス弾を撃ち込み、インターネットを遮断したこともあった。
国連は一部の兵士がデモに参加した女性をレイプしたと非難している。
2019年の革命を主導した市民グループによると、首都ハルツームで3日に行われたデモでは市民1人が射殺されたという。
ディエン氏は声明の中で、「またデモに参加した市民が殺害され、家族は喪に服している」と述べ、軍を非難した。「軍は直ちに取り締まりをやめ、事件を調査し、弾圧に関与した個人を訴追しなければなりません」
3日のデモは、2019年6月3日にハルツームの軍本部外などで行われたデモが治安部隊の攻撃を受け壊滅した事件を追及するために行われた。
この攻撃では市民少なくとも128人が死亡し、多くの女性がレイプされたと伝えられている。
スーダンを30年にわたった支配した独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)は2019年4月の無血クーデターで追放され、その後、抗議デモを主導した市民グループは軍当局と軍民合同政府「ソブリン評議会」を発足させた。
しかし、その取り決めはブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍の軍事クーデターで崩壊し、同国はかつてない経済的・政治的混乱に陥っている。