国連安保理、「西サハラ」のモロッコ自治案を採択
ロシア、中国、パキスタンの3カ国は棄権。ポリサリオ戦線の後援者であるアルジェリアは投票しなかった。
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国連安全保障理事会は10月31日、アフリカ北部・モロッコ王国が係争地「西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)」に自治権を付与するという計画を支持する決議案を採択した。
西サハラの領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリア政府の支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
モロッコはポリサリオ戦線をテロ組織に指定しているが、アルジェリアを含むアフリカ連合(AU)の主要国は西サハラの独立を認めている。
この係争地をめぐる対立が解決する目途は立っていない。国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)が境界線を監視している。
賛否は分かれているものの、この決議は同地域に対する主権維持を目指すモロッコへの最も強力な支持となった。
トランプ(Donald Trump)米大統領は8月にモロッコの案を支持すると表明。常任理事国のフランスとイギリス、EU加盟国の大半もこれを支持している。
ウォルツ(Mike Waltz)米国連大使は採決後の声明で、「これは西サハラにおける長きにわたり遅れていた平和実現への機運をさらに高めるものだ」と述べた。
ポリサリオ戦線は独立の是非を問う住民投票の実施を求めている。今回の決議は住民投票に一切言及していない。
ロシア、中国、パキスタンの3カ国は棄権。ポリサリオ戦線の後援者であるアルジェリアは投票しなかった。
