国連事務総長「スーダン内戦、制御不能状態」即時停戦求める
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
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国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は4日、スーダン内戦が制御不能状態に陥っていると警告した。
国連機関などで構成する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の検討委員会は前日、スーダンの2地域で「飢きん」が発生していると発表した。
IPCは食料へのアクセス、消費、栄養状態、生計手段など複数の指標を総合的に分析し、状況を5つのフェーズに分類する。フェーズ1は「最小限」、フェーズ2は「ストレス」、フェーズ3は「危機」、フェーズ4は「緊急」、フェーズ5は「大惨事/飢きん」である。
グテレス氏はカタールの国連サミットで演説。準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の支配下に置かれた北ダルフール州エルファーシルの現状を嘆き、世界最悪の人道危機が飢きんを招いたとして、紛争当事者に即時停戦を呼びかけた。
またグテレス氏は「数十万の民間人がこの恐るべき包囲網に閉じ込められている」と述べた。
さらに、「人々は栄養失調、疾病、暴力で命を落としている。国際人道法や人権の侵害が継続的に報告されている。RSFが同市に侵攻して以来、広範な処刑が行われているという信頼できる報告もある」と付け加えた。
軍事政権はエルファーシル陥落についてコメントしていない。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点になっていた。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲していた。
RSFは今夏に樹立した新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の拠点をエルファーシルと主張している。
国連はRSFがエルファーシルを制圧後、病院で450人以上を殺害し、アフリカ系民族を標的とした虐殺や性的暴行を主導していると非難している。
RSFは残虐行為を否定しているが、多くのメディアが避難民の証言、オンライン動画、衛星画像に基づき、彼らの攻撃後の現地の状況を「終末的な光景」として伝えている。
被害の全容は明らかになっておらず、RSFの支配地域で何が行われているかは不明だ。
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