◎国連安全保障理事会は今年、マリで10年に渡って活動してきた国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)の活動終了を全会一致で採択した。
国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)が16日、西アフリカ・マリ北部の2つの基地からの撤退を開始した。
それによると、北部地域の治安はこの数カ月で著しく悪化し、テロ攻撃が相次いでいるという。
MINUSMAはこの地域からの撤退任務をできるだけ短い期間で完了させるとしている。
国連安全保障理事会は今年、マリで10年に渡って活動してきたMINUSMAの活動終了を全会一致で採択した。
MINUSMAが8月に撤退任務の第一段階を終えて以来、暴力事件の件数は2倍以上に増加している。
国連もMINUSMAの撤退開始を発表。「この地域の治安状況が急速に悪化していることから、部隊はできるだけ早く、当初11月中旬に予定していた2基地からの撤退を速やかに完了させるよう、最大限の努力をしている」と明らかにした。
マリ軍政は今年初め、国連に対し、PKO部隊の即時撤退を要求した。
MINUSMAは世界で最も危険なPKO任務であり、2013年の活動開始以来、150人以上の要員が死亡している。
北部のサヘル地域ではトゥアレグ族の若者で構成される反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」とマリ軍の間で戦闘が激化している。
マリ軍政はイスラム過激派との戦いでも苦戦を強いられており、複数の拠点を占領された。
MNLAは今月初め、北部の軍事基地少なくとも1カ所を奪取したと主張。マリ軍政はこの主張に関するコメントを出していない。
マリ軍政の報道官は16日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。北部の空港に接近した軍用機がテロリストの銃撃を受けたと書き込んだ。
それによると、陸軍のヘリ部隊がテロリストを無力化し、軍用機は問題なく着陸したという。