◎西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)の領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリアの支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
国連安全保障理事会が10月31日、国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)の活動期間を1年延長する決議案を採択した。
ロシアとモザンビークが棄権、アルジェリアは投票を見送った。
西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)の領土のおよそ8割はモロッコの支配下にあり、残りはアルジェリアの支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
モロッコはポリサリオ戦線をテロ組織に指定しているが、アルジェリアを含むアフリカ連合(AU)の主要国は西サハラの独立を認めている。
アルジェリアは政治的解決を支援することを目的とした2つの修正案を提案したが、採択されなかった。
決議案を提出した米国のウッド(Robert Wood)国連代理大使は、西サハラの永続的かつ尊厳ある解決を目指す安保理のコミットメントを強調した。
アルジェリア大使はこのプロセスを批判、投票に参加しなかった。
モザンビーク大使は、「アルジェリアの修正を含まない決議案は当事者が公正で永続的な、相互に受け入れ可能な政治的解決策を達成する助けにならない」と指摘した。
ロシアのネベンジャ(Vassily Nebenzia)国連大使も懸念を表明。「決議案は現地の実情を反映していないため、相互に受け入れ可能な解決策を促進する可能性は低い」と指摘した。
またネベンジャ氏は「停滞に向けて努力を支援するロシアの勧告も無視された」と述べた。
西サハラはモロッコ王室が抱える最大の問題であり、国際法廷でポリサリオ戦線と主権を争っている。
この審議は長らく停滞しているため、モロッコは同盟国の支持を求めている。一方、ポリサリオ戦線は国際法廷でモロッコの主張に異議を唱えるなど、法的手段を追求している。