国連「避難民キャンプ攻撃するな」スーダン準軍事組織RSFを非難

国連によると、このキャンプは約45万人の避難民を収容し、過去に何度もRSFの攻撃を受けてきた。
2025年4月18日/スーダン、北ダルフール州エルファーシル近郊の避難民キャンプ(AP通信)

アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が北ダルフール州エルファーシル近郊にある避難民キャンプを襲撃した事件について、国連は12日、RSFを非難し、避難民への攻撃をやめるよう求めた。

現地の人道団体によると、RSFの部隊は10日から11日にかけてキャンプに押し入り、少なくとも40人を殺害したという。

国連スーダン事務所の人道調整官は声明で、「避難民キャンプや他の避難場所を標的にしてはならない」と述べた。

また調整官はRSFが故意に避難民を攻撃していると非難した。

国連によると、このキャンプは約45万人の避難民を収容し、過去に何度もRSFの攻撃を受けてきた。

4月の攻撃では数百人が死亡、数万人が再避難を余儀なくされた。

RSFはこの1年間、ダルフール地方の中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。

エルファーシルは首都ハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。

軍事政権は11日、エルファーシル近郊でRSFと地上戦になり、テロリストを撃破したと主張した。

RSFはコメントを出していない。

軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

RSFは先月末、ダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官率いる新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」を立ち上げた。

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