タンザニア大統領選に抗議するデモで数百人死亡=国連
抗議デモは投票日(10月29日)に激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令した。
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国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は11日、アフリカ東部・タンザニアの大統領選挙に抗議するデモ中に数百人が殺害されたという確かな情報があると明らかにした。
抗議デモは投票日(10月29日)に激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令した。
現職のハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領はほとんど知られていない16人の候補の挑戦を受けた。
選挙管理委員会は11月1日に最終結果を公表。得票率97%超でハッサン氏が勝利したと発表した。
最大野党CHADEMAはこの選挙を「茶番」「戴冠式」と呼び、支持者に抗議デモを継続するよう呼びかけている。
CHADEMAを含む主要野党2党の候補は立候補を禁じられていた。
ハッサン氏の最大のライバルであるCHADEMAの指導者トゥンドゥ・リス(Tundu Lissu)氏は今年4月に逮捕され、国家反逆罪で起訴されている。
CHADEMAと地元の人権活動家たちは治安部隊による取り締まりで1000人以上が死亡したと主張。政府は死傷者数を公表せず、この主張に反論している。
タンザニア政府はOHCHRの声明に関するコメントを出していない。
OHCHRは声明で、「選挙後の数日間は治安が不安定で、インターネットも遮断されていたため、死傷者数を独自に検証できなかった」と述べた。
またOHCHRは、「国連事務所がタンザニアのさまざまな情報源から入手した情報によると、数百人のデモ参加者やその他の市民が治安部隊に殺害され、数不明の市民が拘束されていると考えられる」と指摘、タンザニア政府に説明を求めた。
警察は10日、CHADEMAの副議長を含む4人の野党幹部を保釈した。抗議活動に関連して300人以上が起訴、そのうち少なくとも145人が国家反逆罪で起訴されている。
