スーダン・ダルフールへの攻撃続く、91人死亡、国連が発表
RSFは9月19日から29日にかけて、エルファーシルへの砲撃、ドローン攻撃、空爆を繰り返した。
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国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は2日、スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による先月の北ダルフール州エルファーシルへの攻撃で少なくとも91人の民間人が死亡したと明らかにした。
ターク氏は声明で、「RSFは9月19日から29日にかけて、エルファーシルへの砲撃、ドローン攻撃、空爆を繰り返した」と非難した。
またターク氏は国際社会に対し、民族的な動機に基づくエルファーシルへの攻撃と残虐行為を防ぐための緊急行動を求めた。
軍事政権とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、RSFは10月1日、エルファーシルの市場にミサイルを撃ち込み、女性3人を含む16人が死亡、子ども5人を含む21人が負傷したという。
同委員会は2日の声明で、この攻撃を「虐殺」と非難した。