SHARE:

国連「3500万人のナイジェリア人が飢餓に直面」資金不足

国連はこの危機について「人道、治安、経済の各方面に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある」と警告を発しているが、支援資金の減少傾向が続く限り、飢餓リスクの軽減は困難な情勢だ。
2025年7月16日/ナイジェリア、北東部ボルノ州、WFPの食料配給所(ロイター通信)

国連は22日、アフリカ西部・ナイジェリアで今年、約3500万人の国民が深刻な飢餓に直面する可能性があると警告した。これは世界的な人道支援資金の枯渇が影響しており、特に幼い子ども約300万人が重度の栄養不良に苦しむ可能性があるとしている。国連は22日、首都アブジャで開かれた2026年の人道計画の発表に合わせて同国の現状を明らかにした。

国連のナイジェリア調整官は記者団に対し、「従来のような外国主導の支援モデルはもはや持続可能ではなく、ナイジェリア国内での支援ニーズが拡大している」と語った。また、特に治安が不安定な北東部ボルノ州、アダマワ州、ヨベ州で状況が悪化していると指摘し、そこでの暴力や自爆攻撃、武装集団による襲撃が増加していると警告した。これらの地域では2025年前半だけで4000人以上が死亡したとのデータもある。

資金不足により、国連と協力機関が実施可能な支援は大幅に縮小される見込みだ。国連は2026年に食糧や基本的支援を提供するための資金として5億1600万ドルを確保したと発表したが、支援対象となる人々は250万人にとどまる。これは2025年の360万人からさらに減少し、24年も支援規模は大幅に縮小していた。

世界食糧計画(WFP)も同様の資金難に直面しており、既に30万人以上の子どもに対する栄養支援を削減する措置を取っている。支援を続けるためには追加資金が急務だが、主要な援助国による寄付が減少した影響が大きい。ナイジェリアではこれまでもWFPが2015年以降、紛争で影響を受ける地域の人々に年間約200万人規模の支援を提供してきたが、現在は資金枯渇のため支援対象を大幅に絞り込まざるを得ない状態にある。

飢餓リスクと同時に、ナイジェリア国内では暴力や強制移動も深刻な食料不安を生んでいる。北東部では紛争により数十万人が住まいを追われ、農業活動も停滞しているため、食料供給が壊滅的な打撃を受けている。WFPのデータによると、ボルノ州だけで約1万5000人が飢きんに近い極度の飢餓状態に陥る可能性があるとされるなど、状況は極めて厳しい。

国連はこの危機について「人道、治安、経済の各方面に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある」と警告を発しているが、支援資金の減少傾向が続く限り、飢餓リスクの軽減は困難な情勢だ。ナイジェリア政府も国内での支援体制強化に向けた努力を進めているが、資金と物資の不足により対応は依然として厳しい。国連は加盟国に対し、追加の人道支援資金の提供を強く求めており、国際社会の協力が急務となっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします