国連、スーダン・ダルフール地方の主要都市を視察、深刻な人道危機続く
RSFは10月にエルファーシルを制圧、その過程での殺害や病院での患者に対する攻撃が国際的に報告され、遺体が集団墓地に埋められたり焼却されたとの衛星写真も公開されている。
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国連の人道支援チームが25年12月31日、スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の支配下に置かれる北ダルフール州の主要都市エルファーシルを訪問し、深刻な人道危機の実態を確認した。訪問は数時間にとどまり、RSFが2カ月前に制圧して以降、初の現地入りとなった。
国連のスーダン人道調整官であるブラウン(Denise Brown)氏は訪問について、「極めて緊迫した任務だった。われわれはほとんど知られていない場所、巨大な犯罪現場に入った」と述べ、現状の厳しさを強調した。それによれば、RSFによる襲撃で多数の民間人が殺害され、大半の住民が避難を余儀なくされたという。
RSFは10月にエルファーシルを制圧、その過程での殺害や病院での患者に対する攻撃が国際的に報告され、遺体が集団墓地に埋められたり焼却されたとの衛星写真も公開されている。国連はこれらの情報について現在も分析を進めている。
エルファーシルは北ダルフール州の州都、かつて100万人以上が生活していたが、その大半が別地域に逃亡したとされる。残された住民は廃屋やビニールシート、急ごしらえのシェルターを作って暮らしている。現地では初めての支援として、難民キャンプの学校を転用した炊き出し拠点が開設され、毎日食事が提供されているが、支援は限定的である。
国連チームは市中心部にある市場の様子も確認したが、トマトやタマネギなど一部の地元産野菜しか売られておらず、他の食料品は品薄か高騰している。ブラウン氏は「米1キログラムが100ドル近くに達している」と述べ、食料価格の異常な高騰を指摘した。
医療体制も完全に崩壊し、スーダン医師中央委員会の報道官は「生命の兆しがほとんどなく、医療システムは完全に麻痺している」と説明している。病院には医療支援や薬品がほとんど届いておらず、適切な治療が受けられない状況が続いているとのこと。
国連はエルファーシル訪問を通じて、今後の人道支援実施可能性について評価を進めると同時に、外部との安全な補給路確保を模索する方針を示した。しかし、現地の治安状況やインフラ破壊の深刻さから、援助の大規模展開には依然として多くの課題が立ちはだかっている。
エルファーシルは2年以上にわたる国軍とRSFの内戦が引き起こした深刻な人道危機の象徴となりつつある。国連や国際人権団体は戦闘に伴う虐殺、飢餓、避難民の増加が続く中、国際社会に対してさらなる支援と介入を求めている。
