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スーダンで「ジェノサイド」か、準軍事組織RSFが3日間で6000人殺害

「ジェノサイド条約(Genocide Convention)」では、特定の民族や人種、宗教グループを全体または部分的に破壊しようとする意図があればジェノサイドと認定される可能性があると定めている。
スーダン、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘員(Getty Images)

国連は19日、スーダン西部ダルフール地方の都市エルファーシルにおける昨年10月の準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による攻撃が、国際法上の「ジェノサイド(集団殺害)」に該当する可能性があるとする報告書を公表した。報告書は組織的かつ計画的な暴力の実態を指摘し、世界に重大な懸念を投げかけた。

報告によると、RSFはダルフール地方における国軍の最後の拠点であったエルファーシルを18カ月に及ぶ包囲の末、10月25〜27日の3日間で制圧した。この包囲戦の終了後、都市と周辺地域で、3日間で6000人以上の一般市民が殺害されたという。26万人とされる同市の住民のうち、わずか40%しか脱出できなかったとも報告された。

報告書は、RSFによる暴力に民族的・人種的動機が認められると指摘している。特に、エルファーシル周辺に居住する非アラブ系のコミュニティが標的となり、殺害、レイプ、誘拐、拷問などが行われたとされる。国連調査団は生存者の証言を引用し、「彼ら見つけ次第皆殺しにせよ」といった発言がRSF戦闘員からあったと報告している。

「ジェノサイド条約(Genocide Convention)」では、特定の民族や人種、宗教グループを全体または部分的に破壊しようとする意図があればジェノサイドと認定される可能性があると定めている。報告書はこの条約に基づき、RSFの行為が少なくとも3つの構成要件に該当すると評価した。具体的には、(1)保護対象の集団の構成員の殺害、(2)身体的・精神的苦痛の重大な引き起こし、(3)集団の物理的破壊を意図した生活条件の故意の誘発、の3点であるとしている。

調査団の委員長は声明で、「これらの行為は戦時下の偶発的な暴挙ではなく、組織的で計画された作戦の一部であり、ジェノサイドの特徴を備えている」と述べている。報告書はまた、暴力には組織的な性暴力や拉致、略奪も含まれ、病院や避難民キャンプまで攻撃対象になったとしている。

この報告は、スーダン内戦が2023年4月に勃発して以来続く人道危機の深刻さを改めて浮き彫りにした。同国では軍事政権とRSFが対立し、戦闘と暴力が各地で繰り返され、国連やNGOは総死者数を4万人以上と推定しているが、実際の被害はさらに大きい可能性があるとも指摘されている。

RSFの暴力行為に対し、国際社会は反応を強めている。米財務省は報告書を受け、RSFの複数の指揮官に対する制裁を発動した。また、国連や各国政府はさらなる説明責任の追及と、一般市民保護の強化を求めている。一方でRSF側はコメントを出していない。

この報告書が示す「ジェノサイドの兆候」は、国際法上の最も重大な犯罪の一つに該当する可能性を含んでおり、今後の国際的な対応と法的な審理が注目される。

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