ソマリアで飢餓リスク高まる、干ばつと紛争で危機拡大
ソマリア政府がまとめた「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」報告によると、今年3月までに食料危機レベルあるいはそれ以上の深刻な食料不安定状態に置かれるとみられる人々は650万人に達するとしている。
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ソマリアでは深刻な干ばつや紛争、国際的な人道支援の削減が重なり、今後数カ月で約650万人が深刻な飢餓状態に陥る恐れがあるとの新たな分析が発表された。国連やソマリア政府がまとめた「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」報告によると、今年3月までに食料危機レベルあるいはそれ以上の深刻な食料不安定状態に置かれるとみられる人々は650万人に達するとしている。
報告では、5歳未満の子ども約184万人が急性栄養失調の状態にあり、そのうち約50万人が重度の栄養失調に陥る可能性があると推計されている。これらの数字は、干ばつによる作物の壊滅や家畜の死、食料・水価格の高騰、居住地の変動といった複合的な要因が背景にあるとされる。
ソマリアは近年、深刻な雨不足に見舞われ、記録的な干ばつが続いている。これにより農業生産が大幅に落ち込み、食料供給が逼迫している。加えて、国内の治安不安や武装勢力との衝突が続き、農村部から都市部への避難や市場アクセスの低下も進んでいる。こうした状況が重なり、市民の食料確保が一層困難になっている。
国連のソマリア人道調整官はX(旧ツイッター)への投稿で、「干ばつは著しく悪化し、水価格は高騰し、食料は限られ、家畜は死に、非常に少ない人道支援しか届いていない」と述べ、今後数カ月の間に命に関わる支援が不可欠であると強調した。雨季(4~6月)まで雨は期待できないとして、現地の食料事情が改善する見込みは乏しいという。
報告は、たとえ今後の雨季に平均的な降雨があったとしても、650万人のうち約550万人は年後半も危機的な状態にとどまる可能性が高いと指摘する。また、昨年7月から12月にかけては、干ばつや紛争により約27万8000人が国内で避難を余儀なくされたことが食料供給や支援活動の妨げになっているとしている。
ソマリア大統領府も「この干ばつの深刻さは否定できないほど深刻で、国際社会やソマリア人、企業、市民社会が緊急支援を拡大する必要がある」と訴えている。人道支援の削減により、食料支援や保健、栄養、給水衛生プログラムの多くが縮小または中断されており、状況は一段と悪化している。
この危機は世界的な食糧不安情勢の一環ともいえる。多くの国で干ばつや紛争、経済的要因による食料不足が続き、国際的な支援の確保が喫緊の課題となっている。特に子どもの栄養不良や飢餓は長期的な健康や発育に深刻な影響を及ぼす可能性が高く、現地および周辺地域での食料・医療支援の強化が国際的な焦点となっている。
