ドローンが国連基地を空爆、平和維持要員6人死亡 スーダン
軍事政権は声明で、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による犯行と非難した。
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スーダン南部コルドファン州のカドゥグリにある国連施設がドローンによる攻撃を受け、バングラデシュの国連平和維持要員6人が死亡、8人が負傷した。国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長が13日、明らかにした。
この施設は国連アビエイ暫定治安部隊(UNISFA)の物流基地。13日にドローン空爆を受けた。
グテレス氏は声明で、「国連平和維持要員を標的とする攻撃は国際法上、戦争犯罪となり得る」と述べ、責任者の追及と真相究明を強く求めた。
またグテレス氏はスーダン情勢の緊迫化を指摘。即時停戦と包括的な政治的解決の必要性を強調した。国連は現場での安全確保と負傷者への医療支援に向けた取り組みを展開しているという。
軍事政権は声明で、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による犯行と非難した。RSFは2023年4月以降、首都ハルツームや西部ダルフール地方など、全国各地で国軍と衝突、カドゥグリ周辺でも戦闘が続いているとされる。
RSFはコメントを出していない。軍がSNSに投稿した動画には、国連基地から黒煙が立ち上る様子が映っていた。
今回被害を受けたUNISFAはスーダンと南スーダンの係争地アビエイの安定維持を目的として2011年に創設されたミッションである。バングラはUNISFAに対して多くの人員を派遣しており、今回の死亡者と負傷者はすべてバングラ出身の要員であった。バングラ政府は13日、この事件を受けて哀悼の意を示すとともに、ケガをした隊員への医療支援を強化するよう求めた。
スーダン内戦は2023年に勃発して以来、民間人や国際人道支援関係者が巻き込まれる事案が相次いでいる。国連や国際NGOはこの2年半で数万人が死亡、約1500万人が飢餓に直面していると報告している。ドローンや重火器を用いた攻撃が各地で発生し、今回の国連施設への攻撃は同国での国際関係者の安全確保が一段と困難になっている現状を象徴する出来事として受け止められている。
グテレス氏は声明の中で「国連活動の不可侵性と平和維持要員の安全の確保は国際社会の優先課題である」と強調し、国際社会に対して支援と圧力強化を呼びかけた。
