◎エボラはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。
ウガンダの医療機関(Hajarah Nalwadda/AP通信)

ウガンダの保健省は26日、首都カンパラで小学生6人がエボラウイルスに感染していることを確認したと発表した。

保健省報道官によると、6人は市内の3つの学校に通う生徒だという。

報道官は「この6人を含む15人の新規感染を確認した」と報告した。

エボラはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。

政府は先月、中部ムベンデ県で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。この男性(24歳)のサンプルを調査した結果、スーダン株であることが確認された。

感染者と死者が増加しているムベンデ県とカサンダ県はロックダウンされている。

カンパラでは24日に初めて感染者が確認され、保健省が注意を呼び掛けていた。

保健省報道官によると、小学生6人はエボラに感染し、カンパラで治療を受けた男性と接触したとみられる。この男性は死亡した。

当局はムベンデ県とカサンダ県をロックダウンしているが、そこで感染したとみられる男性がカンパラに移動したのは封鎖措置が取られる前だった。

当局はこの6人が通う学校の児童及び関係者170人を濃厚接触者として調査している。

専門家によると、エボラの拡大を抑えるためには濃厚接触者の追跡と隔離が特に重要だという。

ウガンダ医師会は25日、政府にカンパラをロックダウンするよう要請したが、ムセベニ(Yoweri Museveni)大統領は慎重な姿勢を示している。

医師会は声明の中で、「エボラに感染したことに気づいていない人もいるため、事態は極めて深刻である」と述べている。

保健省のまとめによると、全国の感染者は確認できているだけで109人、死者は30人。エボラの初期症状はマラリアとよく似ているため、重症化するまでエボラだと気づかない人も多いという。

エボラウイルスはコンゴ民主共和国(旧ザイール)で1976年に初めて確認され、急速に拡大。これまでに約1万5000人が死亡している。

2013年から2016年にかけて西アフリカ諸国で発生したパンデミックでは1万1000人以上が死亡している。

スーダン株の感染力はザイール株に比べると弱く、死亡率も低いとされる。ただし、ザイール株対応のワクチンは開発されているが、スーダン株は未開発である。

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