◎反政府武装勢力「神の抵抗軍(LRA)」は1980年代にウガンダで攻撃を開始、政権転覆を図った。
アフリカ東部・ウガンダの裁判所は16日、政府に対し、反政府武装勢力「神の抵抗軍(LRA)」によるテロ攻撃の被害者に1人当たり2740ドルの見舞金を支払うよう命じた。
LRAの幹部1人は10月、戦争犯罪の罪で禁固40年の実刑判決を受けた。
この幹部は殺人、レイプ、拷問、略奪、誘拐を含む44の罪に問われていた。
首都カンパラの地方裁判所は政府に対し、この幹部による犯罪の被害者全員に見舞金を支払うよう命じた。
判事はこの幹部が生活困窮者であり、被害者に賠償金を支払うことができないと判断。政府の怠慢がLRAによるテロ攻撃や犯罪を招いたとして、代わりに見舞金を支払うよう命じた。
また判事は財産の破壊や窃盗など、この幹部が引き起こした事件の被害者にも支援を提供するよう命じた。
LRAは1980年代にウガンダで攻撃を開始、政権転覆を図った。
LRAは20年近くに渡って政府と戦い、ウガンダから逃亡した後はコンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、南スーダンで民間人を虐殺。多くの集落が壊滅した。
その司令官であるジョゼフ・コニー(Joseph Kony)は拘束した女性を奴隷にして部下に割り当て、支持を確立したとされる。
コニーは2003~2004年の間にウガンダ北部で犯したとされる殺人、性的虐待、レイプを含む12件の人道に対する罪と、民間人虐殺、略奪、少年の強制徴兵を含む21件の戦争犯罪に問われている。
コニーは現在も逃亡中だ。