ウガンダ与党、ムセベニ氏(81歳)の大統領出馬承認、再選へ
ムセベニ氏は1986年から現在まで大統領を務めている。
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アフリカ東部・ウガンダの与党・国民抵抗運動(NRM)がムセベニ(Yoweri Museveni、81歳)大統領の大統領選出馬を承認した。現地メディアが23日に報じた。
それによると、NRMは首都カンパラの党大会でムセベニ氏の立候補を支持したという。
ムセベニ氏は1986年から現在まで大統領を務めている。アフリカで最も長期政権を維持している指導者の一人だ。1944年にアンコーレ地方で生まれ、マケレレ大学で経済学と政治学を学んだ後、タンザニアで軍事訓練を受けた。
若い頃から反体制運動に関わり、アミン政権やオボテ政権に対抗してゲリラ戦を展開した。NRAは1986年にカンパラを制圧し、ムセベニ氏が権力を掌握した。
政権初期のムセベニ氏は民主化や経済改革に前向きと見られ、西側諸国からも支持を得た。国際通貨基金(IMF)や世界銀行の指導の下で市場経済化を進め、農業や観光を中心に経済を回復させた。対HIV/AIDS政策では感染拡大を抑制した実績を持ち、国際的に評価された。しかし長期政権化するにつれて、政治の自由や人権の制約が強まり、権威主義的傾向が顕著になった。
2005年には大統領の任期制限を廃止し、2017年には大統領の年齢制限も撤廃して再選を可能にした。選挙は形式的には複数政党制の下で行われているが、野党やメディアへの弾圧が常態化している。特に2021年大統領選では若手の野党指導者ボビ・ワイン(Bobi Wine、本名:ロバート・キャグラニ)氏が強い支持を集めたが、軍や警察による暴力やインターネット遮断が行われ、公正性が疑問視された。
外交面では近隣諸国への軍事介入や国連平和維持活動への参加を通じて地域に影響力を持つ。米国やEUとの関係は安定しているが、民主主義や人権問題を巡ってしばしば緊張も生じている。近年は中国からの投資を受け入れ、インフラ開発を推進している。
ムセベニ氏はウガンダを長期的に安定させた一方で、個人支配の色合いを強めており、政権移行の見通しが不透明である。国民の間では、経済発展の恩恵を評価する声と、民主的自由を奪われている不満が並存している。その統治はアフリカにおける「解放者から独裁者へ」という典型例として語られることが多い。
ムセベニ氏は23日、この承認を受け、支持者に対し「ウガンダ国民に、過去達成したことと現在計画していることを納得してもらうつもりだ」と述べた。
またムセベニ氏は「さらなる外国投資を呼び込むことも優先課題のひとつである」と付け加えた。
大統領選を含む総選挙は26年1月に予定されている。