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リビア軍幹部ら死亡の飛行機機墜落事故、ブラックボックス回収、原因究明へ調査開始

事故は23日午後に発生。アンカラの空港を離陸したリビア軍の幹部らを乗せたビジネスジェット機が約40分後に消息を絶った。
2025年12月23日/トルコ中部、小型ビジネスジェットが墜落した現場近く(AP通信)

トルコ当局は24日、首都アンカラ近郊で発生したビジネスジェット機墜落事故の現場で、データレコーダー(ブラックボックス)とコックピット音声記録装置を回収したと発表した。回収された記録装置は既に関係当局によって分析の準備が進められており、事故原因の解明に向けた重要な手がかりとなる見通しだ。

この事故は23日午後に発生。アンカラの空港を離陸したリビア軍の幹部らを乗せたビジネスジェット機が約40分後に消息を絶った。機はリビアの首都トリポリへ向かう途中で電気系統のトラブルを報告し、緊急着陸を要請したが、その後レーダーから消えたとされている。

機体の残骸はアンカラ南西の地区近郊で発見され、約3平方キロメートルの範囲に散乱していたという。トルコのイェルリカヤ(Ali Yerlikaya)内相は24日の記者会見で、「当局がブラックボックスと音声記録装置を回収した」と語った。

墜落機には乗員・乗客合わせて8人が搭乗しており、リビア軍の参謀総長(中将)をはじめ、他の高官4人とトルコ人クルー3人が全員死亡したとみられる。参謀総長はリビア西部軍の最高指揮官であり、国内統一を進める取り組みの中心的人物だった。

リビア政府はこれを「悲劇的な事故」と位置付け、全国で3日間の服喪期間を宣言した。リビアのドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相は声明で、犠牲者への哀悼の意を表すとともに、トルコ側と協力して事故原因の調査を進める姿勢を示した。

トルコでは墜落現場で捜索活動が複数機関の協力で進められ、警察、軍、災害管理当局など400人以上の人員と多数の車両・航空機が動員された。検察当局が捜査を指揮しており、事故の詳細な状況を明らかにしようとしている。

事故を受け、トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領とリビア首脳との間で哀悼と協力に関するやり取りが行われた。エルドアン氏は声明で、事故の全容が解明されるまで透明性をもって対応する考えを示した。また、今回の事故は両国間の防衛・安全保障協力の重要性を改めて浮き彫りにするものとなっており、調査結果が今後の関係にも影響を与える可能性がある。

専門家が飛行中の機器の状態や乗員のやりとりなど詳細な情報を精査する見込みだ。

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