SHARE:

トルコ、深海掘削船をソマリアに派遣、初の海外任務

この掘削船は南部メルシン県の港を出港し、約45日間の航海を経てソマリア沖に到着する見込みだとしている。
トルコの掘削船(Getty Images)

トルコ政府は15日、深海掘削船をアフリカ東部・ソマリアへ派遣したと発表した。政府報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、今回の派遣がトルコの領海外で実施する初の掘削ミッションになると述べ、「歴史的な瞬間」であると強調した。

この掘削船は南部メルシン県の港を出港し、約45日間の航海を経てソマリア沖に到着する見込みだとしている。報道官は「深海掘削船が初めて我が国の海域の外へ向かう」と述べた。同行するトルコ海軍の軍艦3隻が護衛に当たるという。掘削作業はソマリア沖で4月から始まる予定だとしている。

トルコは国内のエネルギー探索と生産を強化すると同時に、海外でも資源開発を進める戦略の一環として今回のミッションを実施している。報道官は2028年までに1日50万バレルの石油または同等の炭化水素資源を生産することを目指しており、海外での発見や生産共有契約を通じてこの目標を倍増させる計画だと述べた。

トルコはここ数年、ソマリアとの関係を強化してきた。2024年にはソマリアとの間で海洋資源探索と生産に関する協力協定を締結し、トルコの石油会社TPAOに探索権を付与した。これに先立ち、トルコの地震調査船はソマリア沖で3次元地震探査を実施し、約4465平方キロメートルに及ぶ海底のデータ収集を完了している。このデータをもとに掘削地点が選定された。

トルコ側はエネルギー資源の多角化と輸入依存からの脱却を図り、国内外での生産能力を高めることを目標としている。また黒海でもガス探査を強化し、生産量を倍増させる計画を示し、原子力発電所の建設や他国とのエネルギー協力も進めている。

ソマリア政府にとっても、長年眠っていた海洋資源の開発は経済成長に資する可能性があると期待されている。ソマリアはアフリカ有数の長い海岸線を有し、未開発の炭化水素埋蔵があるとみられているが、長年の内戦や政治的不安定により大規模な探索活動は停滞していた。トルコとの協力によって、技術移転や雇用創出などの効果も期待されている。

ただし、海外での大規模掘削プロジェクトは政治的・経済的リスクも伴う。資源開発の成果は不確定で、商業的な成功が保証されているわけではない。また、ソマリア国内でも資源配分や収益分担を巡る課題が将来的に浮上する可能性があるとの指摘もある。

トルコの掘削船派遣は同国がエネルギー安全保障の強化と国際的なエネルギー開発プレーヤーとしての地位確立を目指す戦略的動きの一環と位置づけられているが、その成否は今後の探索成果にかかっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします