◎野党の大半は投票をボイコットすると表明。支持者に抗議デモを続けるよう呼びかけている。
2024年10月6日/チュニジア、首都チュニスの投票所、取材に応じるサイード大統領(AP通信)

アフリカ北部・チュニジアで7日、大統領選の投票が始まった。

「アラブの春(2010~12年)」として知られる民主化運動以来、3度目の大統領選には現職を含む3人が立候補し、うち1人が実刑判決を受け服役中だ。

地元メディアの世論調査によると、サイード(Kais Saied)大統領の再選は揺るぎそうにない。主要なライバル候補は刑務所に収監されているか、出馬を禁じられている。

投票率は過去最低を更新するとみられる。

サイード氏は66歳。反対派への弾圧と行政権に対するチェック・アンド・バランスを取り除き、多くの人権団体から非難されてきた。

野党の大半は投票をボイコットすると表明。支持者に抗議デモを続けるよう呼びかけている。

選挙管理委員会は野党候補17人のうち2人の立候補を許可。しかし、そのうちの1人であるザメル(Ayachi Zammel)氏はその直後に逮捕・起訴され、先月、禁固20カ月の実刑判決を受けた。

サイード氏は5年前、アラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。

その後、サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。

議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。

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