チュニジア首都で反政府集会、サイード大統領に抗議
サイード氏は21年7月25日、当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。緊急事態宣言を発令して勅令による統治を開始した。
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アフリカ北部・チュニジアの首都チュニスで25日、サイード(Kais Saied)大統領に抗議するデモが行われ、数百人が市内を行進した。
サイード氏は21年7月25日、当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。緊急事態宣言を発令して勅令による統治を開始した。
主要政党アンナハダを含む野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。
現地メディアによると、デモ隊は「恐怖なし、権力は人民に」と叫び、政治犯の肖像画などを掲げて市内を練り歩いたという。
アンナハダの指導者であるラシド・ガンヌーシ(Rached Ghannouchi)党首は今月初め、懲役14年の実刑判決を受けた。
ガンヌーシ氏を含む著名な野党指導者たちは軒並み逮捕・勾留されている。
アンナハダは2011年、アラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領が追放された後、政権に就いた。
サイード氏はその後、アンナハダが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領選を制した。
議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。
ガンヌーシ氏を含む複数の野党指導者が国家反逆罪、汚職、資金洗浄(マネーロンダリング)などの罪で起訴されている。
7月25日は1957年にチュニジアが共和国を宣言した記念日でもある。親サイード派はこの日を「汚職撲滅記念日」と呼んでいる。