◎新憲法の是非を問う国民投票は7月25日に予定されている。
チュニジアのサイード(Kais Saied)大統領は1日、首相と議会の権限を大幅に縮小し、大統領の権限を大幅に強化する新憲法草案を発表した。
この憲法の是非を問う国民投票は7月25日に予定されている。サイード氏は昨年7月25日に首相を解任したうえで、議会を閉鎖し、権力を独占した。
野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は今年3月に解体された。議会選は12月に行われる予定である。
抗議デモを率いる労働組内UGTT(チュニジア一般労働組合)や野党政治家は新憲法を「カイス・サイードの掟」と嘲笑し、有権者に国民投票に参加しないよう呼びかけている。
6月30日深夜に公表された草案は、首相の権限を縮小し、大統領により大きな行政権を与え、一院制から二院制に変更するなどとしている。
現憲法はUGTTを含む全国のグループとの協議を経て、2014年に成立した。これは「ジャスミン革命」で追放されたベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)の23年間の専制政治を正す内容になっている。
2010年末に始まった民主主義を求める革命でベンアリは失脚し、独裁者に反対する同様の運動はアフリカから中東に広がった。