◎大統領選は10月6日に予定されている。
2021年9月18日/チュニジア、首都チュニス、サイード大統領の統治に抗議するデモ(Riadh Dridi/AP通信)

チュニジアのサイード(Kais Saied)大統領が19日、今年10月に予定されている大統領選に出馬すると表明した。

大統領府はフェイスブックに声明を投稿。「サイード氏が再選を目指す意向を関係者に伝えた」と書き込んだ。

サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を手中に収めた。

野党はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難、各地で小規模な抗議デモを続けている。

その後、議会は22年3月に解体され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。

当局はサイード氏の政策に反対する野党候補、政治家、ジャーナリストなどを相次ぎ逮捕。その多くが実刑判決を受けたり、公民権を剥奪されたりしている。

大統領選は10月6日に予定されている。最新の世論調査によると、サイード氏が出馬した場合、再選する可能性が高い。

サイード氏は「アラブの春」につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任し、当選から2年後、議会を閉鎖した。

サイード氏は大統領就任後も質素な生活を続け、汚職を「下衆の極み」と呼び、一定の支持を集めている。

それ以来、当局は革命後に政権を握った野党アンナハダの政治家やビジネス界の著名人を数十人拘束・投獄している。

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