◎議会は今年3月に解体された。
2022年2月3日/チュニジア、首都チュニス、サイード大統領の退陣を求めるデモ(Getty Images)

チュニジアの野党連合は9日、今年12月に予定されている議会選をボイコットすると発表した。

サイード(Kais Saied)大統領は昨年7月末に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を独占した。

野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は今年3月に解体された。選挙は12月17日に行われる予定だ。

イスラム政党「アンナハダ(Ennahda)」などで構成される野党連合の代表は7日の記者会見で、「サイードの独裁に立ち向かう必要がある」と述べていた。

野党連合の報道官は声明で、「議会を破壊し、国の制度を崩壊させたサイードに議会選を行う権利はない」と糾弾した。

また報道官は、「12月17日の選挙はサイードの忠実な部下の支配下で行われ、票は操作され、書き換えられ、民主主義とは程遠いものになるだろう」と主張した。

野党はサイード氏の体制を「ワンマン」と呼んでいる。

報道官は7月に行われた憲法改正の是非を問う国民投票に言及し、「新たなサイード選挙法の起草に関与した野党関係者はひとりもおらず、誰も新憲法を認めていない」と述べた。「サイードは自分の殻に閉じこもり、勝手に憲法を起草し、自称国民投票を行ったのです...」

新憲法はサイード氏の命を受けた起草委員会が起草。国民投票では90%以上が賛成に投じ、承認された。投票率は30.5%だった。

一部の有権者は民主主義を確立してから11年たった今も貧困、インフレ、汚職問題、失業率がほとんど改善しないことにウンザリし、汚職撲滅を公約に掲げるサイード氏を支持している。チュニジアのGDPはこの10年、ほとんど成長していない。

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