◎ダフマニ氏は今年初めに放送された地元ラジオのインタビューでチュニジアを 「人種差別的な国 」と発言し、逮捕・起訴された。
チュニジアの著名な人権派弁護士が禁固2年の実刑判決を受けた。現地メディアが24日に報じた。
それによると、実刑を言い渡されたのはサイード(Kais Saied)大統領を声高に批判してきたソニア・ダフマニ(Sonia Dahmani)氏。同氏は「祖国を侮辱した罪」に問われていた。
ダフマニ氏は今年初めに放送された地元ラジオのインタビューでチュニジアを 「人種差別的な国 」と発言し、逮捕・起訴された。
ダフマニ氏は移民と地元住民が衝突した際の当局の取り締まりを「弾圧」「差別」と非難していた。
現地メディアによると、ダフマニ氏は先月、別の裁判で「チュニジアは住みにくい国」と発言したとして、禁固8カ月を言い渡されていたという。
サイード氏は今月初めの大統領選で得票率90.7%を獲得し圧勝。投票率は28.8%で前回選挙を大幅に下回ったものの、最近行われた議会選は上回った。
サイード氏は今週、数ヶ月に及ぶ弾圧と政敵に対する一連の攻撃を経て、2期目をスタートさせた。
選挙後、サイード氏に反対する人々は平和的な抗議デモを続けると宣言。政府に対し、政治犯やジャーナリストの釈放を求めた。
サイード氏は5年前、アラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。
その後、サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。
議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。