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チュニジア警察が野党指導者ハムディ氏を拘束=報道

ハムディ氏は野党党首のひとり、国内外でサイード政権に対する批判を繰り返してきた人物だ。
2022年7月23日/チュニジア、首都チュニス、憲法改正国民投票に反対するデモ隊(Getty Images)

アフリカ北部・チュニジアの警察当局が首都チュニスの空港で著名な野党指導者ハムディ(Olfa Hamdi)氏を拘束した。地元メディアが15日に報じた。これはサイード(Kais Saied)大統領に批判的な声を封じ込める取り組みのひとつと見られている。

ハムディ氏は野党党首のひとり、国内外でサイード政権に対する批判を繰り返してきた人物だ。同氏は国外に拠点を置いているが、15日に国際便で帰国した直後、チュニスの空港で警察に取り囲まれたという。ハムディ氏はかつて、国営チュニジア航空のCEOも務めた。

ハムディ氏はサイード氏が支配力を強めて以降の政治状況に対し異議を唱え、暫定政権の樹立や大統領選挙の前倒し実施を求めていた。サイード氏が2021年7月に強権的な措置で議会を解体し、権力を手中に収めて以降、政治的対立と分断は深刻化している。

今回の拘束について当局は公式なコメントを出していない。ロイター通信は関係者の話しとして、「ハムディ氏の弁護士や家族とも連絡が取れていない」と伝えている。拘束理由は不明だが、反対派の間では弾圧の一環との見方が強まっている。

ハムディ氏の拘束は、今年初めにも議会でサイード氏を揶揄したとして国会議員が逮捕された事例に続くものだ。反対派はこれを批判的な声を抑え込む試みだと非難している。多くの野党指導者、活動家、ジャーナリストが拘束され、批評家からは「2021年以降、チュニジアが独裁・投獄国家になっている」との声も上がっている。

一方でサイード陣営は、独裁という主張に反論し、法の下で誰もが平等であると主張している。サイード政権は国家の安定と治安維持を理由に強権的措置を正当化する立場を取り、反対派はこれを治安対策と説明している。

ハムディ氏の拘束は国際的にも注目を集めている。国連人権団体や専門家はこれまでチュニジアに対し、表現の自由や政治的多様性の尊重を求めてきたが、拘束や起訴が相次いでいることに懸念を示してきた。しかし、チュニジア政府は外部からの批判に対し内政干渉として牽制する姿勢を崩していない。今回の拘束が国内政治にどのような影響を与えるかは今後の動向次第だ。

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