チュニジア裁判所、野党指導者に懲役14年、分断深まる中

アンナハダはアラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ元大統領が追放された後、政権に就いた。
2025年4月11日/チュニジア、首都チュニス、サイード政権に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

アフリカ北部・チュニジアの裁判所は8日、主要野党アンナハダの指導者であるラシド・ガンヌーシ(Rached Ghannouchi)党首に懲役14年の実刑判決を言い渡した。

ガンヌーシ氏は国家安全保障を脅かしたとして起訴されていた。

現地メディアによると、アンナハダの党員を含む数人も懲役12年を言い渡されたという。

アンナハダはアラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領が追放された後、政権に就いた。

サイード(Kais Saied)大統領は5年前、アンナハダが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。

その後、サイード氏は21年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。アンナハダを含む野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。

議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。

ガンヌーシ氏を含む複数の野党指導者が国家反逆罪、汚職、資金洗浄(マネーロンダリング)などの罪で起訴されてきた。

現地メディアによると、ガンヌーシ氏の弁護団は控訴する意向を示しているという。

この事件を審理する裁判官は欠席裁判で審理された党員数名に対し逮捕状を発行している。

その中にはガンヌーシ氏の息子と元外相が含まれている。

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