◎東部スファックスの沿岸警備隊事務所は今週、海岸や沖合などでアフリカや中東の移民とみられる19人の遺体を収容した。
チュニジア沖、亡命希望者たち(Getty Images/PAメディア)

アフリカ北部・チュニジアの沿岸警備隊が沖合で移民とみられる19人の遺体を発見・収容した。当局が23日、明らかにした。

それによると、東部スファックスの沿岸警備隊事務所は今週、海岸や沖合などでアフリカや中東の移民とみられる19人の遺体を収容したという。

スファックスの捜査当局は23日、人身売買に関与したとされる5人を逮捕したと発表した。

地元テレビ局は関係者の話しとして、「この5人は不安定なゴムボートなどにアフリカ・中東・アジアの紛争地から逃れた移民を乗せ、イタリアに向け出港させていた」と伝えている。

死亡が確認された19人の国籍は明らかになっていない。

チュニジアとイタリア南部ランペドゥーサ島は150キロほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。

リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織はサハラ砂漠以南の紛争地などから逃れた移民を集め、頼りない木造船やゴムボートに乗せ出港させている。

今年、チュニジアからイタリアに不法入国した移民は3月末時点で7000人を超えた。北アフリカから欧州に渡った移民は約5万人と推定されている。

国連の国際移住機関(IOM)の推計によると、北アフリカで今年拘束された移民は7000~1万人。死亡または行方不明になった移民は確認できているだけで473人に達した。(3月末時点)

イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は先週、チュニジアを訪問し、サイード(Kais Saied)大統領と会談。移民問題などについて協議した。

チュニジア当局は近年、人身売買組織を厳しく取り締まっている。人身売買罪で有罪となった場合、20年以下の禁固刑に処される可能性がある。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク