◎市民はパン、コーヒー、クスクス、砂糖などの食品が圧倒的に不足し、スーパーマーケットの棚が空っぽになっていることに怒っている。
チュニジアの首都で14日、サイード(Kais Saied)大統領と食品不足に抗議するデモが行われ、数百人が参加した。
チュニジアではサイード派と野党の対立による抗議デモが各地で続き、政治的分断が加速している。
デモ隊はサイード氏に退陣を求め、生活環境の悪化に抗議した。
サイード氏は2021年7月末に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を手中に収めた。
野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は昨年3月に解体され、12月に議会選が行われたものの、投票率は8.8%にとどまった。
デモを主催したイスラム政党「アンナハダ(Ennahda)」はサイード氏に辞任を要求した。
報道によると、大統領府前でも別の野党がデモ行進を主催したという。
市民はパン、コーヒー、クスクス、砂糖などの食品が圧倒的に不足し、スーパーマーケットの棚が空っぽになっていることに怒っている。
一部のスーパーマーケットはパスタや牛乳などの一部食品を配給制にした。
政府は配給制について、「一時的な措置」と説明しているが、地元メディアによると、地方自治体は政府に非常事態を宣言するよう要請しているようだ。
一部地域では干ばつによる水不足も報告されている。
農務省の報道官は13日、「灌漑(かんがい)用水を減らし、飲料水を確保しなければならなくなるかもしれない」と警告した。
アナリストによると、チュニジアの食品不足問題は▽世界的の価格高騰▽政府の財政難▽輸入業者に対する補助金の削減などが一因である。