◎現職のサイード大統領は2週間前、大統領選に立候補すると表明した。
チュニジアの選挙管理委員会が29日、今年10月6日に行われる大統領選の候補者受け付けを開始した。締め切りは8月6日。
候補者は紙または電子形式で必要書類と推薦者リストを提出する必要がある。
政党の代表者については党の法定代表者の署名が必要だ。
現職のサイード(Kais Saied)大統領は2週間前、大統領選に立候補すると表明した。
治安当局はこの数週間、野党の有力者を相次いで逮捕。その多くが立候補を取りやめている。
サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を手中に収めた。
野党はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難、各地で小規模な抗議デモを続けている。
その後、議会は22年3月に解体され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。
当局はサイード氏の政策に反対する野党候補、政治家、ジャーナリストなどを相次ぎ逮捕。その多くが実刑判決を受けたり、公民権を剥奪されたりしている。
サイード氏は「アラブの春」につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。
サイード氏は大統領就任後も質素な生活を続け、汚職に関与した議員「外道」と呼び、貧困層から一定の支持を得ている。
最新の世論調査によると、サイード氏は再選する可能性が高い。