◎サイード大統領は先月末に議会を解体したため、改正投票法は速やかに発効すると予想されている。
チュニジアのカイス・サイード大統領は6日、年末に実施される予定の議会選挙に先立ち、投票法を改正すると発表した。
サイード大統領は声明の中で、「投票は2回に分けて行われ、有権者は政党ではなく個人に投票することになる」と述べた。
サイード大統領は先月末に議会を解体したため、改正投票法は速やかに発効すると予想されている。
一部のアナリストは、大統領は汚職を撲滅する政治改革をさらに推し進める可能性が高いと指摘した。
サイード大統領は昨年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、当時のメチチ首相を解任したうえで議会を一時的に停止し、自分の権限を強化した。
チュニジアは2010年末のジャスミン革命で民主主義を確立したものの、政府の経済対策はうまく機能せず、国民の大多数が貧困に悩まされている。
議会は先週、サイード大統領の権限と政令を停止するためのオンライン会議を開催し、政治危機に拍車をかけた。
サイード大統領は停止中の議会が勝手に会議を開いたことに激怒し、議会を解散すると宣言した。野党はこの決定をクーデターと呼び、厳しく非難している。
サイード大統領は解散宣言の中で、「政治改革に関する対話には応じるが、裏切り者と泥棒との対話には応じない」と断じた。
またサイード大統領はチュニジアの民主主義が危機に瀕しているという国際社会の懸念を一蹴し、「北アフリカで蔓延している腐敗を取り除くためには改革が必要である」と主張した。
サイード大統領の方針に反対する勢力は各地で抗議デモを行っているが、多くの国民が汚職の撲滅を約束し、利権に興味を示さないリベラルなサイード大統領を支持しているように見える。