◎サイード氏は就任演説で失業と闘い、テロと闘い、汚職政治家を根絶し、文化革命を成し遂げると宣言した。
2024年10月21日/チュニジア、首都チュニスの国会、サイード大統領(AP通信)

アフリカ北部・チュニジアで21日、大統領就任式が行われ、現職のサイード(Kais Saied)大統領が宣誓した。

サイード氏は今月初めの大統領選で得票率90.7%を獲得し圧勝。投票率は28.8%で前回選挙を大幅に下回ったものの、最近行われた議会選は上回った。

サイード氏は数ヶ月に及ぶ弾圧と政敵に対する一連の攻撃を経て、2期目を開始した。

サイード氏は就任演説で失業と闘い、テロと闘い、汚職政治家を根絶し、文化革命を成し遂げると宣言した。

またサイード氏は「誰もが尊厳をもって暮らせる国を作ることが目的だ」と強調した。

さらに「外国人に雇われている泥棒や裏切り者を打ち負かす」と主張。外国企業による投資を推進しながらも、「国民の仕事を奪うことは許さない」と誓い、野党政治家を「反革命勢力」と呼んだ。

「1期目の任務は容易ではなかった。私腹を肥やしたい旧体制の汚職政治家たちはいたるところにいて、まるで毒蛇のようだった...」

サイード氏は5年前、アラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。

その後、サイード氏は2021年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。

議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。

サイード氏は基本的人権を尊重すると約束したが、地元の独立系ジャーナリストは国会への立ち入りを拒否された。

サイード氏は66歳。反対派への弾圧と行政権に対するチェック・アンド・バランスを取り除き、多くの人権団体から非難されてきた。

しかし、大統領就任後も質素な暮らしを続け、利権に興味を示さないサイード氏を支持する人も多い。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク