▽チュニスで反政府デモが行われたのはこの1週間で2回目。
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アフリカ北部・チュニジアの首都チュニスで1日、サイード(Kais Saied)大統領に抗議する集会が開かれ、数百人が市内を行進した。
デモを主催した野党はサイード氏が反対派を弾圧していると非難した。
またデモ隊は著名な弁護士であるスアブ(Ahmed Souab)氏が逮捕されたことに抗議し、サイード氏に辞任を要求した。
チュニスで反政府デモが行われたのはこの1週間で2回目。
デモ隊は市内の大通りを行進し、「サイードは去れ」「お前は独裁者だ」といったスローガンを唱えた。
一方、通りの反対側では親政府派も集会を開き、野党を「汚職政治家」と呼んだ。また親政府派は野党陣営が「外国勢力」の支援を受け、国家転覆を企てていると主張した。
機動隊が双方の間に入り、衝突を回避した。逮捕者が出たという情報はない。
デモ隊はサイード氏を声高に批判していたスアブ氏を含め、投獄された活動家、ジャーナリスト、政治家、弁護士の解放を求めた。
国連、フランス、ドイツなどがスアブ氏の逮捕を批判しているが、サイード氏はこれを内政干渉と一蹴している。
サイード氏は5年前、アラブの春につながった「ジャスミン革命」で独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領を追放した政治家たちが約束を果たさず、汚職に手を染めたと非難。その勢いで大統領に就任した。
その後、サイード氏は21年7月に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖。野党はこれをクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。
議会は22年3月に「解体」され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は9%に届かなかった。