◎チュニジアでこの規模の停電が発生したのは10年以上ぶり。
北アフリカ・チュニジアの全土で停電が発生した。国営電力・ガス会社Stegが20日、明らかにした。
それによると、首都チュニスの南方にある火力発電所で20日未明に技術的トラブルが発生し、チュニスの中心部を除くほぼすべての地域で停電が発生したという。
Steg社は声明で、「復旧作業を進めた結果、20日の午前4時(現地時間)までに大半の地域が通電した」と述べている。
地元メディアによると、一部地域では4時間以上停電が続いたものの、午前6時には復旧したという。
ソーシャルメディアには「真夜中でよかった」「停電したことに気づかなかった」などといった投稿が多数寄せられている。
地元メディアによると、同国でこの規模の停電が発生したのは10年以上ぶりだという。
今夏は広い範囲で最高気温が50度近くに達し、電力需要が急増。Steg社はほぼ毎日計画停電を実施している。
中央政府の統計によると、同国が消費する電力の99%はSteg社が供給している。その大半が天然ガス発電によるもので、再生可能エネルギー(主に太陽光)の割合は2.5%にすぎない。
チュニジアは天然ガスのほとんどをアルジェリアから輸入している。
地元メディアによると、全国の半数以上の地域で雨不足が続き、数カ月間雨が降っていないところもあるという。これらの地域では給水が制限されている。
全国のダムの貯水率は27%まで低下。政府は今月末まで給水制限を維持する予定だ。