◎チュニジアとイタリア南部ランペドゥーサ島は150キロほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
アフリカ北部・チュニジアの沿岸警備隊が沖合で沈没した移民船を発見し、幼児3人を含む12人の遺体を収容した。当局が9月30日、明らかにした。
それによると、50人以上の移民を乗せた船は南部沖で沈没。沿岸警備隊が29人を救助し、行方不明者の捜索を続けている。
海軍も現場海域に巡視艇とヘリを派遣している。
沈没の理由は明らかになっておらず、救助された29人の国籍も不明。
同国では先週、移民とみられる13人の遺体が東部の海岸に打ち上げられたばかりだ。
チュニジアとイタリア南部ランペドゥーサ島は150キロほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
アフリカ北部のチュニジアとリビアに拠点を置く人身売買組織はサハラ砂漠以南の紛争地などから逃れた移民を集め、ボロボロの木造船やゴムボートに乗せ出港させている。
今年1~5月の間にチュニジアの沿岸警備隊が沖合で拘束した移民は3万人を超えた。この間、462人の遺体が収容されている。
毎年、何万人もの移民が地中海を渡ってイタリア、スペイン、マルタ、ギリシャの海岸を目指す危険な旅に出る。その多くは貧困、戦争、気候変動、迫害から逃れた難民だ。
チュニジア当局は今月初めにも東部の海岸で5人の遺体を収容している。
国連は毎年少なくとも1000~1500人の移民がこの海域で死亡または行方不明になっていると推定している。
昨年の死者・行方不明者は1300人と推定されているが、正確な数を知る術はない。