◎サイード大統領は7月25日、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、ヒシェム・メチチ首相の解任と議会の停止に踏み切った。
2021年9月18日/チュニジア、首都チュニス、カイス・サイード大統領の統治に抗議するデモ(Riadh Dridi/AP通信)

9月18日、チュニジアの首都チュニスでカイス・サイード大統領の権力掌握に反対する人々が大規模な抗議デモを開催し、大統領支持派と対決した。

サイード大統領は7月25日、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、ヒシェム・メチチ首相の解任と議会の停止に踏み切った。

政府の政策に反対する人々はサイード大統領を称賛したが、与党ナフダ党を含む多くの議員が大統領の動きをクーデターと呼び、厳しく非難した。

現地メディアによると、サイード大統領の権力掌握に反対する大規模な抗議デモが開催されたのは今回が初めてだという。サイード大統領は1カ月以内に自分に与えた権限を解除し、新しい内閣を発足すると期待されていたが、先月末に権限の期間を延長すると発表した。

サイード大統領は先月、「追って通知があるまで現在の例外的な措置を維持する」と述べたが、期間を延長した理由は明らかにしなかった。

この声明はナフダ党だけでなく、民主主義を支持する若い有権者に疑問を投げかけ、一部の批評家は「チュニジアは以前の体制に戻る可能性がある」とソーシャルメディアなどに投稿した。

首都チュニスに集まった大統領の反対派は「クーデターを許すな!」と唱え、サイード大統領の辞任と新内閣の発足を要求した。

ナフダ党の支持者も抗議に加わり、「サイード大統領はアラブの春後に確立された新憲法、自由、そしてチュニジアの尊厳を踏みにじった」と非難した。

一方、警察の非常線の反対側に集まった大統領支持派は反対派の要求を却下し、「政府のコロナ対策と経済政策は失敗であり、チュニジアの未来を取り戻すためにはサイード大統領の力が必要」と主張した。

2010年12月に発生したチュニジアのジャスミン革命はアラブの春に発展し、近隣諸国に民主主義をもたらした。しかし、権威主義を打倒した人々は深刻な経済危機とコロナの感染拡大に悩まされ、厳しい生活を余儀なくされている。

反対派の抗議デモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「私はサイード大統領を支持していたが、彼も約束を破った」と述べた。「大統領は新政権の発足を約束しましたが、1カ月以上経った今もチュニジアは無政府状態のままです...」

チュニジアの人口は約1,200万人。現在のコロナの症例数は7月中旬のピーク時に比べると減少したが、それでも直近7日間の平均症例は1日あたり約2,400件、死亡者は50人前後を維持している。累計感染者数は約70万件、累計死亡者は24,000人を超えた。

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