◎政府与党の増税計画に抗議するデモは先月中旬から本格化し、一部地域で暴動に発展。機動隊の取り締まりにより、少なくとも39人の参加者が死亡、270人以上が逮捕された。
ケニアの首都ナイロビで7日、抗議デモ中に死亡した39人を追悼するメモリアルコンサートが開かれ、数百人が歌を歌ったり、ダンスを披露した。
政府与党の増税計画に抗議するデモは先月中旬から本格化し、一部地域で暴動に発展。機動隊の取り締まりにより、少なくとも39人の参加者が死亡、270人以上が逮捕された。
ルト(William Ruto)大統領はこの事態を受け、国会で可決された増税法案に署名しないと表明。その後、デモは多少鎮静化した。
コンサートに参加した男性はAP通信の取材に対し、「政府がデモ隊の話しを聞いてくれたことはうれしく思うが、39人もの市民が亡くなったのは残念だ」と語った。
別の男性は「亡くなった39人の意志を受け継ぎ、生きていこうと思う」と述べ、ダンスを踊った。
地元メディアによると、コンサートに参加した市民の一部が店舗を略奪したり、車に火を放ったりしたという。逮捕者が出たかどうかは明らかになっていない。
一部の参加者は「ルト、去れ」「現金を給付せよ」などと書かれたプラカードを掲げ、地面に十字架を打ち付ける人もいた。
地元メディアによると、主催者は1990年に行われたデモの開始日を記念する「サバサバ・デー」に合わせてコンサートを開催したという。
当時の政府はこのデモを受け、複数政党制を再導入した。
国家警察は暴徒を鎮圧するために催涙ガス、警棒、実弾を使用。公務執行妨害や器物破損などで270人以上を逮捕した。