トーゴ首都で反政府デモ続く、警察が市民を暴行、SNSで拡散
トーゴの人口は約800万人。ニャシンベ大統領と父親のエヤデマ前大統領による統治期間は60年を超えた。
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アフリカ西部・トーゴの首都ロメで27日、ニャシンベ(Faure Gnassingbe)大統領に退陣を求めるデモが2日連続で行われ、一部の市民と警察が衝突した。
ソーシャルメディアで拡散された動画には治安部隊が市民を殴打する様子が映っていた。
現地メディアによると、警察は催涙ガス弾でデモ隊を追い払い、こん棒で何人かを殴り、重傷を負わせたという。
さらに、X(旧ツイッター)で拡散した動画には治安部隊が民家に突入し、鞭やこん棒で住民を暴行する姿が映っていた。
報道によると、治安部隊だけでなく、ニャシンベ氏の支持者とみられる自警団も市内をパトロールし、デモ隊に暴力を振るったという。
デモ隊はニャシンベ氏が事実上、無期限に権力を維持できるようになったことに抗議している。
デモに参加した12の市民団体は「非武装の市民に対する暴力行為を強く非難する」と共同声明を出した。
通信当局はロメ市内のインターネットを制限。SNSにアクセスできなくなったという情報もある。
野党、市民団体、SNSインフルエンサーたちは今月初めに政府が抗議デモを妨害したことを受け、6月26日、27日、28日にデモを行うよう呼びかけていた。
トーゴは昨年の憲法改正で大統領選を廃止。これにより、大統領は直接選挙ではなく、議会で選出されることになった。
ニャシンベ氏の与党UNIRは議会(一院制、定数91)を支配している。
この憲法改正により、大統領の任期は5年から6年となり、再選が禁じられた。
ニャシンベ氏の任期は2025年まで。しかし、父親から引き継いだこれまでの20年間はカウントされないため、2031年まで政権を維持できる。
またニャシンベ氏は先月、閣僚評議会の議長に就任した。議長に任期制限はないため、ニャシンベ氏は退任以降も同国の事実上の統治者であり続ける可能性がある。
トーゴの人口は約800万人。ニャシンベ氏と父親のエヤデマ(Gnassingbé Eyadema)前大統領による統治期間は60年を超えた。