◎ティグライ州では大量虐殺、処刑、拷問、レイプが横行している。
エチオピアのメディアは30日、北部ティグライ州の州都メケレで停戦協定を支持する子供たちが市内を行進し、恒久平和を呼びかけたと報じた。
報道によると、行進は「ピース・フォー・オール(Peace For All)」と名付けられ、市内で活動するサーカス団の呼びかけで26日に行われたという。
エチオピア軍とティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)の紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
それ以来、同州のインターネット、電話、銀行など、インフラの大半が機能しておらず、外国のメディアは市内への立ち入りを禁じられている。
報道によると、警察の音楽隊が行進を先導し、市民約600人が参加したという。また、市内の児童約200人が武術や踊りを披露した。
サーカス団の関係者は地元メディアの取材に対し、「停戦と和平を歓迎する」と語った。
子供たちも和平を支持する紙を掲げて行進した。
政府とTPLFの代表は今月初めに停戦協定を結び、人道支援輸送やこの地域の武装解除について協議する委員会を設立することなどにも合意したが、国連は一部地域で支援物資の輸送が妨げられてると報告している。
政府は各地に支援物資を届けていると主張しているが、この地域の住民推定600万人を保護するには不十分と伝えられている。
政府とTPLFは武装解除などの詳細を詰める交渉を継続している。
TPLFは隣国エリトリアの部隊やその他の敵対勢力がティグライ州から撤退しない限り、武装解除は行わないとしている。
エリトリア政府は交渉に参加しておらず、撤退に応じるかどうかは不明。
エリトリアは世界で最も閉鎖的な国のひとつであり、ティグライ州の市民を虐殺したと西側から告発されている。