◎国軍と北部ティグライ地域を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)の戦闘は昨年11月に本格化し、これまでに民間人数千人が死亡した。
11月1日、エチオピアのアビィ・アハメド首相は首都アディスアベバに通じる主要都市を占領したとされる反政府勢力と戦うよう市民に呼びかけた。
国軍と北部ティグライ地域を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)の戦闘は昨年11月に本格化し、これまでに民間人数千人が死亡した。
国軍は昨年11月末にティグライ地域の大半をTPLFから奪取したが、TPLFは他の反政府勢力とティグライ国防軍(TDF)を結成し、6月の奇襲攻撃で地域の支配権を取り戻した。TDFはティグライ地域に隣接するアムハラ州とアファール州を占領し、支配地域を拡大している。
政府のビリーン・セユム報道官はAP通信の取材に対し、「アビィ首相は国の中心と戦闘の主導権を握っています」と述べた。
アビィ首相は10月31日の演説で、「国軍は4つの地域でTDFと戦っている」と述べ、「敵の弱みを知る必要がある」と国民に呼びかけた。「TDFの情報をソーシャルメディアで発信してください。敵の情報を共有することが重要です...」
またアビィ首相は、すべての政府機関に通常の業務を停止し、紛争に対処するよう命じた。
一方、TDFは首都アディスアベバに通じる都市デシーとコムボルチャを支配したと主張したが、政府はこの主張に異議を唱えている。
セユム報道官はAP通信に、「TDFの戦闘員はコムボルチャに侵攻した際、一晩で民間人100人以上を殺害した」と述べたが、地域の支配権は維持していると主張した。
米国務省は1日、TDFが首都アディスアベバ近くの都市を占領したという情報を注意深く見守っていると述べた。
地元メディアによると、TDFは今年初めに同盟を結んだオロモ解放戦線と呼ばれる武装勢力と共に首都を攻撃する準備を整えている可能性が高いという。
TDFの最高指導者のひとりであるツァドカン・ゲブレテンサエ将軍は31日に放送されたテレビインタビューの中で、「連邦政府との協議には応じない」と述べ、攻撃を維持すると示唆した。
TDFは政府に、ティグライ地域周辺の封鎖を解除し、国連や人道団体の支援を受け入れるよう圧力をかけていると伝えられている。ティグライ地域で進行中の飢餓危機は過去10年で世界最悪と見なされており、国連は今年公表したレポートの中で40万人以上が年内に餓死する可能性があると警告した。
首都アディスアベバの住民デスタ・タデッセ氏はAP通信の取材に対し、「TDFが首都に乗り込んできたとしても、住民は殺されないと思います」と述べた。「TDFはエチオピアを統治したいと思っています。住民を殺せば、彼らは信用を失うでしょう...」