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南スーダン東部で国軍と反政府勢力の戦闘激化、人道危機拡大


南スーダンでは近年、政府軍と反政府勢力の衝突が再び激化している。
2018年5月2日/南スーダンの難民キャンプ(Sam Mednick/AP通信)

南スーダンの東部ジョングレイ州で政府軍による軍事作戦を前に、一部地域に避難命令が出され、数千人の住民が集落から逃れる事態となった。現地メディアによると、住民の多くは女性や子ども、高齢者で、隣国エチオピアへ越境する人も出ている。対象の集落はほぼ無人の状態になりつつあるという。

この集落はエチオピア国境近くに位置し、反政府勢力SPLM-IOが支配する拠点の一つとされる。政府軍はこの地域で反政府勢力を排除するため軍事作戦を計画しており、民間人の被害を避けるためとして住民や国連関係者、援助団体に対して撤退を求めた。

避難は8日夜ごろから始まり、住民は徒歩や車で集落を離れた。現地の人道支援団体は「町はほとんど空になった」と述べ、銃声が近づいているとの報告もあると説明した。政府が設定した避難期限は9日午後までとなっているが、その前から集落の西側で戦闘が報告され、緊張が高まっている。

この地域はこれまで比較的安全な場所とみなされ、周辺地域の戦闘から逃れてきた国内避難民など約8万2000人が身を寄せていたとされる。町には国連南スーダン派遣団(UNMISS)の拠点や医療施設があり、人道支援活動の拠点としても重要な役割を担ってきた。

軍の命令を受け、国連は航空機を使って多くの人道支援要員を退避させた。一方、赤十字国際委員会(ICRC)の医療チームなど一部のスタッフは、病院で治療を受けている患者をすぐに移動させることが難しいとして現地に残っている。医療関係者は燃料不足などの問題から患者の安全確保に懸念を示している。

また、住民の間では不安が広がり、国連の拠点前では民間人の保護と戦闘回避を求める抗議デモも起きた。人道団体は軍事作戦が始まれば多くの民間人が危険にさらされる可能性があると警告している。

南スーダンでは近年、政府軍と反政府勢力の衝突が再び激化している。2025年以降、ジョングレイ州など各地で戦闘が続き、多くの民間人が巻き込まれている。ここ数カ月だけでも数十万人が家を追われ、人道危機が深刻化している。

2018年の和平合意によって内戦は一度収束したが、反政府勢力の指導者であるマシャール(Riek Machar)副大統領をめぐる政治対立などを背景に緊張が再び高まっている。国連や国際社会は戦闘の拡大が南スーダンを再び全面的な内戦へと引き戻す可能性があるとして強い懸念を示している。

今回の大量避難は国内情勢の不安定化を象徴する出来事とみられており、今後の軍事作戦の行方と民間人の安全確保が焦点となっている。

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