◎警察はこの1カ月、反政権派の活動家や弁護士などを積極的に逮捕・投獄し、野党に大打撃を与えた。
赤道ギニアの選挙管理委員会は26日、大統領選の結果を公表し、独裁者のヌゲマ(Teodoro Obiang Nguema Mbasogo)大統領が有効票の99.7%を獲得したと発表した。
ヌゲマ氏は君主制を除く国家の中で最も長く権力を保持し、その期間は43年を超え、世界記録を更新中である。
ヌゲマ氏は過去の大統領選でも必ず93%以上の票を集め、野党候補を圧倒している。
大統領選や議会選などの投開票は20日に行われた。
与党「赤道ギニア民主党(PDGE)」は改選前で下院100議席のうち99議席、上院の全議席を堅持し、今回も同じような結果になったとみられる。
ヌゲマ氏は唯一活動を許可している野党の候補2人の大統領選立候補を許可したが、警察はこの1カ月、反政権派の活動家や弁護士などを積極的に逮捕・投獄し、野党に大打撃を与えた。
大統領の息子で副大統領と国防相を兼任するマング(Teodoro Nguema Obiang Mangue)氏は26日、「有権者は民主主義を支持した」と語った。
野党の候補も何人か立候補したが、当選にはヌゲマ氏の許可が必要である。
ヌゲマ氏は1979年に政権を掌握し、何度もクーデターを退け、石油の輸出で得られる利益をほぼ独占し、アフリカ大陸で最も裕福な指導者のひとりに成長した。赤道ギニアの腐敗認識指数は世界トップレベルだ。
ヌゲマ氏はいくつかの改革を行ったと称賛されているが、支配権は堅持している。
反政権派は収監され、独立系メディアは叩きのめされ、活動家は「テロリスト」の汚名を着せられ、亡命を余儀なくされた。
世界銀行によると、赤道ギニアの2021年の一人当たりGDPはサハラ以南のアフリカ諸国で3番目に高いものの、富の大半はヌゲマ氏とその親族、関係者、一部の高官に集中している。
2006年時点の貧困率は人口(約140万人)の約80%に達し、子供を含む数十万人が水と食料の確保に苦労している。
ヌゲマ氏は今年9月に死刑制度を廃止し、国連から称賛された。